はじめに
最近、時系列分析の勉強をしていたので適当なデータを利用した練習をします。
モルカーが話題になった影響でTwitter上で安易にモルモットを飼うなという注意喚起がされていますが、実際モルカーの影響でモルモットを飼おうという人は増えたのかをテーマに分析しました。
データ
まずは生データを見てみる。
青が「モルカー」、オレンジが「モルモット 飼い方」、グレーが「モルモット」のトレンド変遷である。
Googleトレンドの値が何を意味しているのか全く意味がわからないが、少なくとも「モルカー」が1/9~1/10辺りから流行りだしたことなどは見てわかる。
どう見ても定常じゃないので差分をとる
検定
単位根検定
とりあえず単位根検定をしてみる。今回はADF検定をした。
adf | pvalue | |
---|---|---|
モルカー | -0.8016647021530755 | 0.8186325848173441 |
モルモット 飼い方 | -3.6408613454716288 | 0.0050262168486616045 |
モルモット | -2.362131454563925 | 0.1527109321956232 |
「モルモット 飼い方」に関してはp値が0.05以下であり単位根を持たないと考えられるが、「モルカー」、「モルモット」に関しては単位根過程だと思われる。
共和分検定
「モルカー」、「モルモット」が単位根過程っぽかったので共分散検定をしてみる。
今回はEngle-Granger検定をした。
coint_t | pvalue | |
---|---|---|
「モルカー」×「モルモット 飼い方」 | -1.4533819910927528 | 0.7786308032035839 |
「モルカー」×「モルモット」 | -3.1468598135787516 | 0.07927323115015772 |
どちらもp値が0.05以上のため共和分関係には無いと思われる。(後者は少し怪しいが)
分析
とりあえず
①「モルカー」と「モルモット」は単位根過程
②「モルカー」と「モルモット 飼い方」、「モルカー」と「モルモット」に共和分関係はない
という検定結果だったので差分をVARモデルで推定→グレンジャー因果とインパルス応答を見てみる。
結果
グレンジャー因果
Test statistic | Critical value | p-value | df | |
---|---|---|---|---|
「モルカー」→「モルモット 飼い方」 | 0.8186 | 2.235 | 0.537 | (5, 438) |
「モルカー」→「モルモット」 | 5.150 | 2.235 | 0.000 | (5, 438) |
「モルカー」→「モルモット」はp値が0.000のため因果がある(モルカーが流行ることでモルモットについて調べる人が増えた)と考えられるが、「モルモット 飼い方」への因果はあると言えない。
インパルス応答
※y1=「モルカー」、y2=「モルモット 飼い方」、y3=「モルモット」
y1->y3を見ると1期後に正の影響が見えるため上記の結果と合わせてモルカーが流行ることでモルモットについて調べる人が増えたと言えるだろう。
逆にy1->y2では影響は見られないため、上記の結果と合わせてモルカーが流行ってもモルモットの飼い方を調べる人は増えなかったと考えられる。
結論
①モルカーが流行ったのでモルモットについて調べる人は増えた
②モルカーが流行ってもモルモットの飼い方を調べる人は増えたとはいえない
あとがき
年末に沖本本で勉強しましたが、やはり手を動かさないと分からない部分が多いですね。逆に理論的な部分は手を動かすだけじゃ分からないのでどっちもやっていく必要がありそうです。